逢いたくて
「なにが食べたいですか?」

「はいものまね~」

「なにが食べたい?」

「オムライス。あったまごがふわふわのね」

この人は本当に子供みたい

「じゃあたまごと生クリーム、たまねぎと…」

「米もないなぁ」

「えっ…なにを食べてたんですか?」

「病院の食堂かコンビニ」

男の一人暮らしはこんなもんなのかな…

渉と手を繋いで歩く

渉は片手に買い物カゴをもちはたから見たら私たちは夫婦かカップルだ

こんな姿に私は憧れていた

憧れとはまた違う状況だけど…

譲とはホテルの部屋に入るのも出るのも別

もちろん仕事で一緒の時も私は一歩後ろを歩いていたから手をつないで歩いたことも並んで歩いたこともない

「咲、いっかい座ろ」

「へ?」

「真っ青だよ。貧血だきっと。昨日からあんまり食べてないのに俺が連れ出したからだ。ごめんね」

渉はそういいながら私の脈をとっていた

「大丈夫です。すっぴんだからですよきっと。」

「ものまねの回数は加算しとくね」

「あ…」
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