逢いたくて
これ以上こうしていたら決心が鈍る

「んっ…イヤ…っん…」

私の抵抗に譲は我にかえったかのように離れた

「ごめん…もう嫌いだよな」

目をそらしうつむく譲

「でもな…咲…。咲との時間は俺にとって宝物だった。失いたくない幸せな時間だったんだ。俺が愛してるのは咲だ。だから妻と別れようと思った…。会社よりも咲との未来を選ぼうとした。それだけは信じて欲しい」

「譲さん。」

「ん?」

「今までのあなたとの時間は私にとっても大切です。でももう一緒にはいられません。今までありがとうございました」

私は頭を下げた

「最後に…ひとつお願いがあるんです。」

「ん?」

「奥様を愛してください。あなたは奥様といるべきです」

「……」

「仕事の引き継ぎはすべて書き出し机にあげてあります。社員証や保険証も。あと携帯は壊れて連絡がつけられませんのでお願いします」

私はすべて一息で言って社長室を出た


あっけないけど…わたしの恋も終わった…
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