逢いたくて
言おうか言うまいか悩んだ私

結局妊娠したことは社長に言えなかった

困った顔を見たくなかったから?

違う




捨てられるのが怖かったから

結局私は自分のために赤ちゃんを犠牲にしたんだ…




赤ちゃんとさよならする前の日

社長にお腹をさすってもらったのを今でも覚えてる


お腹が痛いと嘘ついて


お腹をさすってもらいながら心の中で何度も繰り返した


『ごめんね』と『またいつか』


そして…

『このあたたかいてが…優しい手があなたのパパだよ』


って…
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