逢いたくて
どのくらい泣いたか…

しばらくないて私たちは屋上に来ていた


泣きすぎてずきずきと痛む頭

ぼーっとしながらも涙だけは次々に流れてくる

その隣で渉はただ目の前を見つめて座っていた


やらなきゃならないことはあるし

こうしていられないことも分かる

でもどうしても動けない

冬なのになぜか今日はあたたかくて

陽射しも優しい

でも私の心には深々と雪が振っていた

「咲…」

「……?」

渉が視線を私に向けた
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