仮面
 市川は呆れていた中で、一瞬笑みを浮かべた。



 昔の事件を調べるより、リアルタイムの事件を調べることの方が、市川の好奇心を掻き立てた。



 見出しから吸血鬼は外せないな。



 最近の仕事に市川は満足していなかった。



 ジャーナリストの業務が飽和しきっていたのか、それとも元々楽しいとは思っていたのかは市川自身わかっていない。



 しかし市川はたしかに今回の殺人事件に好奇心を掻き立てられた。



 まるで今までずっとこんな不可解な事件を、リアルタイムで追える機会を待ち望んでいたかのように、気持ちが昂ぶっていた。
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