タイムストッパー

決心

 田久万は校庭で部活をやっている生徒たちの声すら疎ましかった。放課後に教室に一人で、机につっぷしていたので、耳からガンガンに入ってくるのだ。

 怒鳴りこみたかったが、急に静かになった。

 田久万は目をつぶった。

 眠気はまだ、なかったので、目をつぶったままだった。

 しばらくすると、校庭からの声が聞こえてきた。

 うるさかった。

 田久万は『時間よ、止まれ』と、念じた。すぐに静かになったので、窓から校庭を見ると生徒たちは動いていなかった。

 止まったのである。

 田久万は急に眠気に襲われ、再び、机の上につっぷした。

「あれ?」

 田久万が目を覚ましたときは一時間くらいが経過した感じがした。

 眠ったお陰でモヤモヤ感が少し解消した気がした。

 まだ、三十分しか経過していなかったので、得した気がした。

 もちろん、校庭から生徒たちの声が響いていた。

 やっと帰るしたくをして、教室を出て行った。

 千紗に連絡をしようと、田久万は決心した。
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