でんせつの まほうけん を てにいれた !
序章

1:村人A

10数年前。「魔王」が現れてからというもの、世界は混乱に包まれた。
荒れる大地。増える犯罪。略奪の日々。
人々は絶望していた。しかし、魔王の野望を打ち砕き、この世に希望を取り戻さんと立ち上がった人々がいた。そう、勇者のパーティーである。

そして今日。此処、辺境の村に彼らがやってきた。
村あげての大宴会。勇者ご一行は満足そうに食事をとっている。
大多数の村人は勇者達の武勇伝をいざ聞かんと宴会に参加した。


……が、私にとっては正直どーでもいい。

勇者の武勇伝、の前にそもそも魔王の事からして興味とかない。
確かに多少の混乱はした。しかし魔王は発展した都市は___権力者達__所謂官僚が住んでいる都市は____狙わなかった。標的になったのは一部の、人口もそこそこな都市だけである。それなりの国の機関はあったかも知れないけど。
勇者も勇者で怪しいと踏んでいる。


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