光の速度、君への想い
第2編 【小山田真帆編】

始まりの声

【小山田真帆】


小さなことにくよくよしない、悩むときは悩むけれど私は、小さいときから、笑顔の絶えない子だねと言われてきた。


笑顔は人を楽しくさせるから、例えつらくても。
私が、それを担えばと思った。


どうせ、みんな同じ時間を過ごすなら、辛いより、楽しいほうがいいに決まっている。
それが例え仮初めだとしても。


佐渡火星再開発総合学園は私が私らしく居場所であった、それは、クラスメートの棚橋くんも言っていた。

空を羽ばたく翼を人は得れなかった代わりに、数式の魔法で世界の理をかいめいしょうとした。
人間は翼すら創ろうとした私は、その翼を使い、世界を見たいと思った。


無機質な白い世界の広がる病室で籠の中の世界を生きる、妹に・・・


< 18 / 23 >

この作品をシェア

pagetop