赤い月
ゆっくり迫る牙

斬った。
斬った。
斬った。
斬った。
斬った。

裂かれた。
抉られた。
噛みつかれた。

背中をコンクリートの壁に預け、やっと立っている。
至るところから血は流れ、かろうじて握りしめている斬鬼刀も刃が儚く揺らぎ、精神力の限界を訴えている。

満身創痍ってこういうコトか。

景時は薄く笑って目を閉じた。

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