秘密な関係
「おはようございます」

いつもの様に笑顔を振り撒きながら女子ロッカールームに入る

うっ

くさっ

朝の女子ロッカールームは異様な臭いが立ち込める

それぞれ個々に思い思いの香りをつけていて

それは美容部員の香水の匂いだったり

洗い立ての髪のシャンプーの香りだったり

制汗スプレーの匂いだったり

はたまた女性特有の雌の匂いだったり…

これが閉店後になると一日履いたパンプスの消臭スプレーの匂いまで加わるのだ

敏感鼻の人は生死に関わるかもしれないな

とか考えながら制服に着替える

と同時に気持ちも仕事仕様に切り替わる

「おはよ~美波」

と声を掛けてきたのは同期の京子、佐藤京子(さとうきょうこ)。短大卒で入社しているので私より二つ年下の同期だ
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