蜜愛シンドローム ~ Trap of Kei ~




絢乃は目を見開いたまま、慧を見つめていた。

───慧は、自分を試しているのだろうか。

自分がどれほどの覚悟で慧に戻ってきてほしいと言っているのか・・・

それを、試しているのだろうか・・・。


でも・・・。


「・・・慧兄が、それで戻ってくれるなら・・・」


絢乃の口から、ぽろりと言葉が落ちる。

それは、無意識のうちに絢乃の心から落ちた言葉だった。


───次の瞬間。


絢乃の体に慧の腕が回り、もの凄い力で抱きしめられた。

・・・息が止まりそうなほどに激しい、その抱擁。

その力の強さに、その情熱に驚き顔を上げた絢乃の唇に、慧の唇が重なる。


───少し震えている、熱を帯びた、しっとりした唇。


絢乃の背に回った腕に、力が籠められる。

重ねた唇が、じわりと熱を帯びていく。

───何も、考えられない・・・。

絢乃はぼうっとしたまま、呆然と慧の唇を受けていた・・・。


< 93 / 200 >

この作品をシェア

pagetop