舞い散る花の導く先に
「ねえ信長様?」

私の膝で寝転んでいる信長様に話しかける。

「なんだ?」

「信長様は来世を信じますか?」

「さあのう。急にどうしたのじゃ?」

「私は来世を信じております。だから、生まれ変わりまた来世でも信長様と結ばれとうございます」

一瞬驚いた瞳で私を見つめる。

そして微笑んでそっと私の頬に触れる。

「お濃。それは無理じゃ」

「どうしてでございますか?」

「わしは“今”のおぬしを愛しておる。たとて生まれ変わってもそれは“未来”のお濃なのじゃ。きっと名前も性格もちがうじゃろう」

「信長様・・・」

「それはわしも同じだ。みな今を生きておる故、同じではいられないのじゃ。だからこそ今を大切に生きているのであろう?」

「っはい。そうですね・・・」

そう答えるとそっと私の頭を撫でてくれる。

「来世では違う男と幸せになるのじゃぞ?約束だ」

「っはい・・・・」

信長様、それはとても寂しい約束ですね。

そんなことを思いながら泣き笑いで私は答えた。
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