大人的恋愛事情 SS
 
藤井祥悟が喜んでくれるなら。


「早く入れて欲しいから……」


呟くようにそう言うと、私を引き寄せて抱きしめた。


「繭」


「なに?」


「俺、マジで幸せかも……」


私の首筋に顔を埋めて低く優しい声で、そんなことを言う男を抱きしめ返した。


きっと私の方が幸せだと思う。


抱き締める身体から香る藤井祥悟の匂い。


ワイシャツの心地いい手触りに誘われるように、背中に手を這わすと程よくつく筋肉の厚み。


その手を滑らせたまま、前へと回し肌蹴たシャツを肩から落とす。


首筋から顔を上げた藤井祥悟が、シャツを脱ぎながらキスをくれる。


優しく触れるだけのキスが、何度か繰り返されシャツを脱いだ手が私の首を引き寄せる。


割られる唇から舌が入り、深いキスに変わるとより幸せが増す。


触れあう素肌が気持ちいい。
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