あの夏で






「ねぇ、みなみ」


「なに?」


「俺の目を見て話してよ」


みなみは下をむいたり、横をむいたり、俺と視点をあわせないようにしいる。


ゆっくりとみなみの目が俺をとらえる。


そして………。


どんどんみなみの目が涙でいっぱいになった。



「ゆうき……。
あたし昨日聞いちゃったの。
ゆうきと中野 香月さんの会話。
あのときあたしを選んでくれたら、いや選ばなくてもあたしはこの選択をしたと思うの。今はあたしたち、つきあっているべきじゃないと思うの。
一回距離をおいてまたいつかきたときにまた…愛し合いたい。
だから……、別れてほしいの…。ゆうき………」




今はつきあうべきじゃない?



今は距離をおくとき?




俺は……。


どうしたいんだ…?



みなみを離したくない。



やっと………。


手に入れてのに……。


やっと………。


みなみ……。







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