あの夏で





手紙も入っていたから、あたしはその手紙を見た。






「みなみへ
がらにもなく手紙を書いてみた。
この手紙を見てるってことは、俺らうまくいったのかな?
誕プレどう?
みなみが気に入ってくれたらいいんだけど。
空色の石がはめこまれてあるんだ。
みなみ、空好きでしょ?
初めて女に買ったやつだからさ、なに選んでいいかわかんなかった。
ネックレスってすっごいありきたりなプレゼントだけど、喜んでくれたら嬉しいかな。
あ、あと実は俺の初恋もみなみなんだ。
中1のときにストーカーから助けた人がずっと気になってたんだ。
それがみなみだって知った時は、
俺が好きになったのは、みなみだけなんだってそう思った。
俺の初恋は、みなみだよ。

なんかごちゃごちゃしてきたけど、最後に。
俺はみなみを愛してる。
それだけは今も未来も変わらない自信がある。
いつ死ぬかわかんないけど、絶対みなみよりは生きるよ。
そうじゃないとみなみに変な虫がついちゃうからね。
みなみ。
俺に生きる意味を教えてくれてありがとう。
俺に本当の恋を教えてくれてありがとう。
俺に愛を教えてくれてありがとう。
俺に夢をくれてありがとう。
まだたくさんのありがとうがあるけど、それはこれからどんどん言っていくことにした。
みなみ、俺と付き合ってくれてありがとう。
みなみ、愛してるよ。             ゆうき」




涙があふれだした。



ゆうき……。


ゆうき……。


ゆうき……。


ゆうき……。





あたしも……。




ゆうきを愛してる……。








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