雨降る中で

祐介side

この街に戻ってくるなんて思っていなかった



見慣れた景色に中学2年の俺を嫌でも思い出す




ここが俺が通う高校か…




校門の前に立ち校舎を見上げていると2人乗りする自転車にすれ違った



ふと自転車の後部席に座る女の子と目が合った気がした



「え…」




まさかね…





新しい教室に入り挨拶をすると担任が1人の生徒の名前を呼んだ



「宮田」




宮田?

宮田って…




担任の一言で俺は顔を上げると驚いたように彼女の親友である宮田が立っていた



と同時に窓際の前の席に目をやると高校2年生の君がいた




驚いたように目を逸らされ一瞬、胸が締め付けられる




放課後、教室に来た男子と帰って行く彼女を俺はただ教室の窓から眺めていた




良かったと思う反面、何とも言えない寂しさで複雑な感情が襲って来る





中学2年生の冬、正直俺は転校が決まり少しホッとした



これでもう彼女に会わなくてすむ


忘れられる



そう思ってたのに…






この2年間いつも思い出すのは最後に見た彼女の顔





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