君はボクの天使?
「え、あれ・・・?」

気がつくと
フロントガラスから光が射し込んでいる

私の体にはリクちゃんの上着が掛けられていて
車内はちょうどいい温度に保たれていて
運転席を見るとリクちゃんが
小さな寝息を立てて眠っていた

そして外の景色をよく見たら
私の住む、マンションの前だった

ちょっと待って

私は昨日の事を思い出す

酔っぱらってリクちゃんを呼び出して
それから・・・

騒いで泣いて
私、リクちゃんとキスしちゃったんだ!

「はっ・・・」

思わず息を飲んだ私の横で
リクちゃんが目を覚ました

「つぐみちゃん、起きた?」

「うん・・・ごめん、私寝ちゃってたんだね!?」

その時車内のデジタル時計の7:00という数字が目に入った

「あー!!やばい7時なんだ!」

私は焦った

「え?今日、仕事?」

「違うの!今日ね、地元の友達の結婚式で8時には家出ないと間に合わなくて!リクちゃんごめん!私、行くね」

私は急いで車から飛び出した

「また、連絡するね!」

「うん、気を付けて」

私は
リクちゃんの顔もまともに見れずに
マンションのエントランスに走り込んだ

これからメイクを落としてシャワーを浴びて荷物を用意して・・・

あー、メイクする時間が無い!
仕方ない、新幹線の中でしよう







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