-Believe- ~始まりの裁判~

「私…。小等部の頃から太一が好きだったの…。グスッ
でも、告っても返事はぐらかすしっ…。

だから、今月の始めごろかな…。もう、これで諦めようと思って…。グスッ、告ったんだ」


『一途…。そんなに好きだったんだ』


亜美は少し嬉しそうにこう続けた。

「そしたらね。買い物に一緒にいこう、って!言ってくれたんだ。
私、太一にとって特別な存在になれたのかな?って、おっ、思ってたのに゛…」


…うん。大体は私にも理解できたかも。
太一が好きでもないのに思わせ振りな態度をとったのがいけないんだ。
なんでそういうことするかな…。


「本当にごめんなさい…。あとで太一にもしっかり謝らせる。…っ、だから――――」

「大丈夫です、もう」


亜美が私の言葉を遮った。
驚いて亜美の顔を覗くと、悲しみで涙を流しているのではなく、どこか吹っ切れた表情に変わっていた。

「へへ、なんか話してたらずいぶん楽になった。
ありがとうっ」

「えっ?いや、私にできることはこれくらいしかないし。それに…。
太一が悪いんだから、幼馴染みがこうするのは当たり前だよ…。」

「そんなことない。それに、幼馴染みだからとか関係ないよっ」


そう言うと、亜美は私に抱きついてきた。

「ちょっ、え…っ?!」

「光咲、めっちゃいい人ーーっ!」

「あっ、あの」

私が離れようとすると、亜美の抱き締めている手の力が強くなった。

周りにはすごい注目されてるし、すっごく恥ずかしいっ!!


だけど。

これで一件落着…だよ、ね?
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