【短】おまじない
望は必死にもと来た道を走った。

やっぱり暗くて長い廊下を駆け抜け、誰もいないナースステーションの前を通り、エレベーターホールに出た。





「早く…早く、家に帰ろう」





さっき見たのはなんだったの?


あれは、近未来の姿?





じゃあ、和は…


和は死んでしまうの?




和…。


かわいそうな和…。




洋子ちゃんから聞いたおまじないを一生懸命唱えている和の姿が目に浮かんだ。



そんなことしたって、和は死んじゃうんだよ。





和…!


死なないで!!








悲しみと恐怖で身が震えた。









そしてエレベーターのドアが開くのと同時に望は乗り込んだ。





が、そこにエレベーターはなかった。








「きゃあああああああああっ!!!」







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