天神学園高等部の奇怪な面々34
自分とは違う世界、違う人生を歩んでいるが、この男も紛れもない『剣士』。

フェイレイの表情が真剣さを帯びる。

生まれた世界は違えど、剣士同士の戦いだ。

「それでは…」

完璧超人が右手を振り上げた。

「はじめいっ!」

掛け声と共に試合開始。

まずはフェイレイが剣を抜く。

両刃の、いわゆるブロードソードタイプの剣。

鍔や柄、鞘などの拵えは西洋風。

刀というよりは、用務員の持つ処刑人の剣に近い形状だ。

「翡翠先生は抜かないんですか?」

「…抜くかどうかは俺が決める事だ」

いまだ腕組みしたままの翡翠。

「じゃあ」

フェイレイは手にした剣を下げる。

「俺も攻撃しません…丸腰の相手に斬りかかるのは、勇者のする事じゃない」

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