不良だらけの危険なバイトッ☆

「藤堂行けーっ!!」


「きゃーーーっ」


藤堂君にボールが渡ると途端に沸き起こる大歓声。


彼を見る人々の顔もきらきらして見えた。


あっという間にゴールに切り込んでいった彼は、味方にパスを出す。


そしてパスを受け取った選手は瞬く間にゴールを決めてしまった。


強い…


ほんとに彼は凄い選手だ。


「……」


隣にいるユキは柵に両肘をついて試合を見つめていた。


ユキだけでない。周りにはあたし達の学校の制服を着た生徒はもちろん、他校生や一般の人々までたくさんいる。


全校応援でもないのに、サッカー部を応援するために集まったたくさんの人たちを見て、彼らがどれだけ注目されているのかを感じた。


「そういや藤堂って、プロからスカウト来たらしいぜっ」


「えーっ?名門私立大からも来てるって聞いたけど?」

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