純血のヴァンパイア
翌朝、天気も良く

教会の外には、桜が満開に咲いて綺麗に舞い散っていた。

私達の結婚式の参列者は

蓮と澪さん。燐と麻子さん。

そして、忙しいのにお父様とお母様もヴァンパイア界から来てくれた。


「おめでとう、優月。」

「綺麗よ。」

お父様とお母様が、真っ白いウエディングドレス姿の私に声を掛けてくれる。


「馬子にも衣装だよな」

「ちょ、燐。優月ちゃん綺麗よ。燐の事は放っておいてね。」

肘でつつきながら、麻子さんが燐を咎める。

完璧に尻に敷かれてる。それでも、燐が嬉しそうにしてるから良いんだけどね。


「おめでと、優月。」

「綺麗ですよ、優月さん。私達も、こんな素敵な式しましょうね。」

屈託のない笑顔を浮かべ、蓮に微笑む澪さん。

その澪さんを見つめる蓮の瞳は、見た事がないくらい優しいものだ。


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