純血のヴァンパイア
少しは、私達に気を許してくれている証拠、なんだろうか。

そうであれば、ちょっと・・・いや、かなり嬉しい。

何だろう。雪兎の笑顔を見てると、胸のあたりがザワザワする。


「ん?どうした?」

いつの間にか、雪兎を見つめていたらしい。

怪訝な顔を浮かべて優月の顔を覗き込んでいる。

「別に・・・」

すぐにそう言って再び机に突っ伏したものの、何故だか顔が熱い。

おかしい。きっとこれも、この暑さの所為だ。


「変な、優月。」

そういうと、頬づえを付きながら心地よい風が入ってくる窓の方に顔を向けた。


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