悪魔か天使か!?〜David or angel〜



「有明夕陽(ゆうひ)です。」

転校生はそう言った。



「ヤバいっ!!夕陽君めっちゃ美少年!!」

休み時間になると、優香がわめいていた。

「うん。少女マンガツウとしては萌えるね!!」

夕陽君…本当に美少年っ!
私の彼氏候補♪




「小早川〜。」

「はいっ。」

「有明に学校案内してあげてもらえないか?」

「え!?今ですか!?」

「ああ。この休み時間だ。」


夕陽君と2人っきり!!
学校案内!!

ヤバい…っ。

「でもなんで私っ。」
「目についたからだ。」

ヤバい…私ついてるかなり。

それとも運命?きゃぁ!!



「私、小早川メイ。宜しくね。」
「うん、宜しく。」
夕陽君はニコッと笑った。

天使スマイル炸裂なう☆



「ここが保健室だよ。」

「保健室誰もいないね。」

「そうだね。」

「なんか…エロくね?」

「え?」


エロクネ

エロクネ

エロクネ


まさか天使くんから、そんな下品な言葉が出てしまうとは!



バサッ

私は近くにあったベッドに押し倒された。

「キャッ!」

私は寝転がった状態で夕陽君を見上げる。

「転校生と保健室でエッチ。悪くないでしょ?」

「な…なにいってんの…」


「なぁんて、嘘だよ。」

そう言って夕陽君は私を解放するかのように立ち上がり、私も夕陽君の後に続いて立ち上がった。



「あ…飛行機雲。」

夕陽君が窓から外を指差した。
そこには綺麗な飛行機雲があった。

「飛行機雲って触ってみたい。乗ってみたい。だけど、こうやってみるとめっちゃ遠くに見える。自分の想いが儚く消えるみたいだ…。」



ー『飛行機雲、今にも届きそうだ。』

ー『ほら、手に入った。』

ー『すっぽり収まった。』

ー『いつか…いつか一緒に乗ろうね。』



「ねぇ見て。ほら、こうやって手を空に翳すと……ね?ピッタリ収まった!」

私は空に手をかざす。







《ねぇ海斗…

海斗は辛くないの…?》





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