紺碧の海 金色の砂漠
ミシュアル国王は結婚前、王宮内の後宮に忍び込んで来たとき――


『新婚の三ヶ月、昼も夜も私はお前を離さない』


なんてことを口にした。舞は彼の情熱に胸が高鳴ったが……まさかあのとき、これが本気だとは思ってもみなかった。

舞が女性の都合でダメなとき以外は、それこそ昼も夜も、場合によっては朝もである。

それが一ヶ月も続くと……。経験ゼロの舞も、自信満々の割に経験片手のミシュアル国王も、夫婦の行為に精神的余裕ができ始める。


「アル……やぁん、アル、もうダメ」


舞の声音に艶めいた色がつき始める。

それを機敏の察したのだろう。彼は指の動きをピタリと止め、


「それほどまでに嫌なら、ここでやめにしよう」


やめる気なんか全くないくせに、舞を苛めるのだ。

以前の舞なら、「いいわよ。もう二度としない」となり、意地を張って突っぱねただろう。だが、ソコはソレ、新婚とはいえ夫婦である。

ミシュアル国王が舞のツボを心得ているなら、彼女も夫の弱点は知っていた。


『陛下――お願いでございます。どうぞ、わたくしに一夜のお情を……』


ミシュアル国王の胸に縋りつき、少しだけ上目遣いでささやく。


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