紺碧の海 金色の砂漠

(14)嵐に閉ざされて

(14)嵐に閉ざされて



舞とティナがコテージに到着した同じ頃――。

ミシュアルとレイは瑠璃宮殿に到着した所であった。


「ふたりとも荷物を持って出ているということは、やはり“覚悟の家出”らしいな」

「アーイシャは君の妃に同情しただけだ。同じにするな!」


レイの言葉にミシュアルは一々不満を唱える。


「どちらにしても大した差はない」

「違う! 私の下から逃げ出したとなれば……年寄り連中はこぞって離婚を口にするだろう。クアルンはこの国とは違うのだ!」

「……済まない。私自身が動揺しているようだ」 


ふたりの間に気まずい沈黙が広がる。

直後、レイの護衛官ニック・サトウが走り寄った。


「陛下! 確認が取れました。おふたりの乗った車はフサコ様のコテージに向かったとのこと」


レイのホッとした表情にミシュアルも胸を撫で下ろす。ところが――。

護衛官のニックは顔を強張らせたまま……「実は、問題が生じております」  
 


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