龍とわたしと裏庭で⑥【高3新学期編】
「ねえ」

わたしは、頭を圭吾さんの肩に乗せたまま、言葉を継いだ。

「圭吾さんは、愛するのと愛されるのと、どっちが幸せだと思う?」


「何、それ?」


わたしは、亜由美と和子さんに言われた事を教えた。


「そうだなぁ」

圭吾さんはちょっと考えてから言った。

「僕としては、君に愛されたい。うんと深く、ね」


そうなの?

んー、何をすればいいんだろ?


「特別な事をしてほしい訳じゃないよ」

圭吾さんは、わたしの考えを読み取ったように言った。

「ただ、君に僕を好きでいてほしいんだ」


「大好きよ」

「どんな奴よりも?」

「もちろん」

「絶対に離れたくないってくらい好きになって」

「いいわ――こんなんで幸せなの?」


圭吾さんの口の端が上がるのが分かった。

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