雨が見ていた~Painful love~



幸せな

幸せな

拓真くんとの二人の時間。





私はあの後すぐに拓真くんにメールをして自分のアドレスと番号を教えた。


拓真くんは私のメールを嫌がらずにどんな時間でも返信を返してくれて…気がつくと私たちは毎日のように連絡を取り合う仲になっていた。





彼はあの雨の日の事件のことを問いただすようなことは何一つしなかった。


ただ隣に寄り添っていてくれた。


失われた時間を埋めるように、取り戻すように、私のくだらない話に付き合ってくれて。


お互いの時間が空いた時にはランチやディナーを楽しんで拓真くんは柔らかで優しい時間を一緒に過ごしてくれていた。




このままこうして時を重ねて優しい時間を過ごしていたら、私はもう一度恋ができるかもしれない。



拓真くんに向き合うことができるようになるかもしれない。



そう……
思っていたのに神様は甘くはなかった。






私は知らなかったんだ。






拓真くんとの公園の会話を聞かれてはならない、一人の男に聞かれてしまっていたこと。




そして……
その一件が、あの恐ろしい事件に発展すること。



あの頃の私は何も知らずに、ただ毎日を過ごしてたんだ。



彼がどんなに苦しんでいたかだなんて、知りもしないで。




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