雨が見ていた~Painful love~



仁くんはビクついているキョウちゃんの腕を取ると


「さーて。帰るよ?
慎~。響弥連れて帰っていいんでしょ??」


何食わぬ顔をしてパパに尋ねる。




そんな仁くんにニッコリとほほ笑むと


「うん、連れて帰っていいよ~??
俺と美織はここを片付けてからから帰るから、仁は先に帰って気が済むまでたーーーっぷりお仕置きしてあげて??」



そんな恐ろしい言葉を口にする。




――お、お仕置き!!?




その言葉を聞いた瞬間。
満足そうに微笑むと


「了解。じゃぁ、行くよ??響弥。」


「え、え、!?」


「大事な妹をキズモノにした責任、キーッチリ取ってもらうからね??」


「う、うぎゃぁーーー!!」


仁くんはキョウちゃんの首根っこを掴んで、嫌がるキョウちゃんを無理やりに引きずりながら。ニコニコ天使のように微笑みながら颯爽とその場を後にする。




うーーん。
パパってちょっぴり意地悪なのかなぁ…。



私の家族ってやっぱりママの言うとおりSなのかなぁ…。




二人を見ながらクスクス楽しそうに笑うパパを見て、私はそんなことを考えていたのだった――……




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