雨が見ていた~Painful love~

実はさっき再会を果たした彼。藤堂響弥と私、桐谷美織は幼なじみだ。


母親同士が仲良しなこともあり、私とキョウちゃんは小さな頃からいつも一緒。


キョウちゃんはわたしより二つ年下なクセにいつだって俺様で偉そうで、ワガママで。



『オラ!グズグズすんじゃねーよ、美織!』


『ふ、ふぁい……っ!!』



私はいつも虐げられていた記憶がある。



さっきの一連の行動でおわかりのとおり、キョウちゃんはワガママで非情なオトコ。




キョウちゃんのお父さんは有名スポーツメーカーの海外事業部に籍を置いているエリートで。彼の家族は彼が10歳くらいになるまで、ずっと日本と海外を行ったり来たりしながら生活していたから……そのせいもあるのかな??


彼も、彼のお姉ちゃんも、自己主張が強くて、むやみやたらと気が強い。



そんなだから、のんびりやの私はいつも彼らのペースにはついていけなくて、いつもいつも怒鳴られていたような気がする。


でも……ね??
実はキョウちゃんは、とても優しい男の子だから。



私が迷子になったり、危うく変なおじさんに誘拐されそうになった時には、必死に探して、助けてくれた。小さな身体で勇気を振り絞って、いつだって私を守ってくれていた。


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