雨が見ていた~Painful love~


でも‥ね??
キョウちゃんに散々相談するものの、恋愛下手で引っ込み思案な私は最後の最後で勇気がでなくて、見ているだけで恋愛が終わっちゃうの。



高校二年生になって、好きな人を遠くから見てることしかできない。そんな恋愛しかできない私を見て


『オマエ、ちょっとは行動してみろよ。
見てるだけで満足なんて、イマドキ小学生でもいねぇぞ。』


そう言って、中学三年生だったキョウちゃんはケラケラ笑ってたっけ。



自分に自信の持てない私とは裏腹に、いつだって自信たっぷりのキョウちゃんは昔からオンナノコにモテていて


『オンナってちょろいな。』


が、口ぐせだった。





黒豹みたいな外見に整った男らしい顔立ち。加えて言うなら、彼は水泳の特別強化選手というものに指名されていて、国内はおろか海外の大きな大会でも成績をあげる将来有望な競泳選手。


そんなオトコノコ‥さ?
女がほっとくワケがない。


乱暴な肉食獣のクセにどことなく育ちの良さを感じるキョウちゃん。育ちも良くて、顔も良くて。その上肩書きまであるモテ男、藤堂響弥は中学の頃から、オンナノコを取っ替え引っ替え。


隣にいるのはいつだって可愛い女の子。キョウちゃんの隣にいる事が嬉しくてたまらない、キャピキャピしてる女の子とは対照的に、その全てが面倒くさそうな顔をしながらキョウちゃんはテクテク道を歩いていた記憶がある。

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