ウィニングショット
過去編

菊池晴香

金属音がグラウンドに響き、そこには太陽の光がさしている。

中3の最後の試合の真っ只中の強豪足宮学園の野球部はいつもとかわらない練習風景でした。


「ファイトー。もう1本！」

ベンチから声をだし、選手を見守るマネージャーのうちの一人が私でした。


エースである、杉原君に一目惚れし、この野球部に入ったが、途中から杉原君のことよりも野球のことが好きになった。


授業が終わると、急いで部活に行って着替え、だれよりも早くグラウンドに行った。



飲み物だってどのマネージャーよりも素早く準備して、
選手全員をサポートしていた。


「あのさぁ…。」

県大会決勝を3日後に控えた練習が終わったあと、私は4番打者を担っている単崎君に呼び出された。


「…なに？」


「俺…菊池のことが好きなんだ」


この恋が足宮を敗北へと導いた。


野球なんてもうどうでもいいと思ってしまった。


「あれ…。今日、菊池と単崎は??」


「いや…しらねーけど。」


「あいつらって付き合ってるんじゃねーの?昨日練習後会って話してたみたいだし」


その言葉を聞いて一番動揺して居たのは、杉原君だった。



あとから聞いたことだけど、杉原君は私のことを好きだったらしく、甲子園に行ったら告白する気だったらしい。


私がずっと言い続けた、甲子園…。



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