ナツメ
ああ、そうなんだ。

納得する。
現実を非現実的な世界で受け入れる。

わたしはまだ、心のどこかで修とやり直せるかもしれないと淡い期待を抱いているのだ。

ナツメはそれを見透かしている。
そしてその期待を辛辣な言葉で抉り笑うのだった。

わたしも大概イカレてるけど、ナツメはもっとイカレている。

わたし達のやっていることは尋常じゃない。
互いに尋常じゃないと知りつつ、互いに甘受しているのだから始末が悪い。

ナツメのことは嫌いじゃない。
いや、嫌いじゃないというレベルじゃない。
少しもまるで全く嫌悪を感じない。

むしろ好きだ。
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