ナツメ
溜息が聞こえて、わたしの髪が揺れるのを感じた。

近い。
すごく近い距離にナツメがいる。

「ったく。最近わがままになったね?」

そう言いながらも声は笑っている。

アイマスクが外された。

部屋は真っ暗で、アイマスクをしていてもいなくても変わらない程の暗さ。

その闇に目を凝らして目の前のナツメを見つめた。

しっかりと焼き付けておきたい。
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