ナツメ
ナツメに触れたい。


どうして、わたし達は触れ合えないのだろう。

どうして、ナツメはわたしに触れないのだろう。


ペットなら抱きしめて眠ってくれたって良さそうなものじゃないか。

ナツメは眠らない。
わたしに背を向けたまま、肩をずっと緊張させて呼吸を押し殺して眠らずにいる。


この部屋をでて自分の部屋で眠ることだってできただろうに、彼はそうせずに眠らないままでずっとずっとわたしの傍にいた。


朝までずっと。
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