Petit Bonheur ‐名も無き宝石店‐



ある日の放課後、私は担任に呼び出された。

なんだろう、と思い行ってみると

担任は白髪交じりの頭を掻きながら、

困ったように言った。


「篠谷、お前部活にも委員会にも入ってないだろ?
 という事は放課後は暇な訳だよな。」


嫌な予感がした。

担任が困った顔をする時は、面倒な事を押しつける時だと

知っていたからだ。







確かに部活には入っていない。

それは、私の体が弱いからだ。

すこしでもキツイと感じる運動をすると

肺が苦しくなる事もある。



思いがけない頼みごとをされた私は

グラウンドの裏へと向かう。

3階の窓から見えるグラウンドには

様々な運動部が部活に励んでいる。



< 4 / 6 >

この作品をシェア

pagetop