ヒ・ミ・ツ−居酒屋−
個室にて
−ピンポーン−


とチャイムが鳴ったと同時にガチャリと鍵が開く音。

チャイム鳴らす意味ないじゃん。と笑うの堪えていると、



「先輩!!今日は飲みに行きましょう。」


という玄関から夕理の声。


「えっ!今から?それなら着替えなきゃ。」


「はやく!はやく!」


自分勝手だなぁと思いながらも、それに従ってしまう私も私か・・・。


「それか手伝ってあげようか?」


慌ててクローゼットから服やらスカートを取り出していると、夕理がドアに寄り掛かってこちらを見ていた。


「いや・・あのっ・・結構です。」


「いつも見てんのに、何恥ずかしがってんの?」


とわたしの方に近づいてきた。


「・・・っ。それとこれとは別だし。」


「・・・本当に可愛いよね。そういう所。」


ニヤッと笑って髪を撫でれられた。
完全に遊ばれてる。


「いいから、リビングで待ってて!」


「はいはい!」


意地悪する夕理にムカつきながらも、赤くなる顔に嘘はつけなかった。

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