青空にさよなら





翌日。
あたしは学校には行かず、代わりに昨日碧と会った橋へ向かった。


約束通りお昼頃に行ったからか、碧はすでにそこにいて、今日は橋ではなく川の土手の方で寝転んでいる。


「碧っ!」


「あ、蒼唯」


名前を呼ぶと、碧は起き上がってゆるゆると右手を振ってきた。


「碧、今日からしばらく学校行かないことになったんだ」


「そっか。じゃあ、お母さんはわかってくれたんだね」


よかったね、とでも言うように、碧があたしの頭にポンと手を置く。


そうだ。あたしはこの温もりが心地よくて、また碧と会いたいと思ったからここに来た。


「碧、ありがとう」


「ん?」


きょとんとする碧に、あたしは笑ってみせる。


「碧のおかげで、ちゃんとお母さんと話せたの。だから、ありがとう」


そう言うと、碧は嬉しそうに口元を緩めて、ふわりと陽だまりのような笑顔を浮かべた。


その笑顔に一瞬目を奪われたけど、慌てて我に返って……。


「今日も綺麗な青空だね!」


ゴロンと碧の隣に寝転がり、綺麗に晴れている空を仰いだ。



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