変わらない想い

夏になり


今日は、朝から雨が降っている。

雨の日は学校に
行きたくないけど


トモキ君と一緒なら
キライな雨もスキになれる。



昼過ぎには、太陽が出て
ウソのようにいい天気に。



5限目が始まってっすぐ


授業中にもかかわらず
トモキ君は
私の教室に入って来て


私の腕を掴み




「セイラ、来い」




「えっ?トモキ君?
授業中だよ!!」



クラスの皆は
びっくりして

私達を見ている。





「早くしね~と
消えちまう」




「何が消えるの?」





「いいから」



先生の声も聞かず



教室を出て
二人で階段を駆け上がり
屋上の扉の前




「セイラ、目つぶってろ!
オレがいいって言うまで
開けんじゃね~ぞ」




「うん・・・」




私は目を閉じ

トモキ君が屋上の扉を開け




「まだ開けるな!」




「うん・・・」




トモキ君は、私の手を引き




「目開けて
空、見上げろ!」




私は目を開け空を見上げる


空には

大きくてキレイな

虹が架かっていた。



< 399 / 404 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop