あなたの こども うみたい
「それが、驚かれるの覚悟で来たんですが・・・

 大学病院の横山先生にお会いしたくて。」

「産婦人科の?」

「はい。」

「どこか悪いのかい?」

「いえ、そうではなくて。」

「横山先生、外国にもいろいろ行かれてて、

 もし、もしなんですけど、韓国に行かれるなんてことはないかな、

 と思いまして。」

「また、飛躍した話だな。もう少し、聞かせてもらえないか。」

「はい。研究のお手伝いをしたいんです。」

「というと?」

「人工受精・・・」

「木下。悩んでいるのか?」

「はい。いろいろ調べて横山先生のことを知ったんですけど、

 簡単にはお会いできないみたいで・・・なんとか韓国のことで、

 お役に立てないかと・・・」

「うーん。これは、偶然なのか?」

「え?」

「いや。ちょうど、韓国語の通訳のことで、

 最近、相談を受けたばかりでね。

 なんでも、あまり公にはしたくないみたいで、

 私も誰かいないか探しているところだったんだよ。」
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