両想い【完】


しばらく無言だったが聡が話し出す。


「美愛ちゃん…中田には言わなかったのは
分からないでもない。でも、
今回のこれは…下手したら
脳震盪どころじゃ済まなかったかもしれない…
後から後遺症とかだって、
ないとは言えないよ?
中田も心配してたじゃん。
あの、1年には自分等がしたことの
重大さは伝えるべきだ。と俺は思うよ」


珍しく眉間にシワをよせながら真剣に言う。


「俺も聡とおんなじだ。そもそも、
なんて言われて、あんなになった?」


顔を見ながら聞くと、俺と聡を順番に見上げてながら考えてる。


しばらくして、電車に座ったところで話し出す。


「あのね、着替えていたら、
あの子が相談があるから残って
くれないかって声をかけてきて…
3人になったら…
『高城先輩に近づかないで、
迷惑かけてるのが分からないんですか』
って言われて…
私は…祐君の言葉を信じているから、
怖かったけど
『傍にいていい、傍にいるって
言って貰っているから』って言ったら
『ウザいしムカつく』って両手、
だったかな…ドンって押されて…
ガツンて頭痛いって思ったらなんだか
立っていられなくて…周りも
よくわからなくなって…
そうしたら祐君が来てくれたの、ありがと。」


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