両想い【完】


***


由紀は腕に絡み付いたまま何か話し続けてた。


が、さっきの噂のこと(親しい山野が話してくれたんだから噂ってか事実、か…)や朝みた泣き顔や、『やっつける』って言ってた可愛い声や、なにするつもりだったのか?なんて考えてて全く聞いてなかった。


「祐君っ!聞いてる?
来月の祐君の誕生日のはなしだよぉ?」


学校を出てから駅までの道は、結構人通りもあるところ。


そこで大声で叫ばれて正直、痛い視線を感じて腕を振りほどいて離れたくなった…。


しかし、話を聞いてなかったのは俺、さっきも今も、俺にも非があるのは確かだ。


でも、それでも由紀の態度はなんだかイライラした。


俺がクラスに迎えに行くことが、嬉しい、ではなく『自慢』と言った由紀。


来なくて寂しい、なのではなく『恥ずかしかった』由紀。


ダチと話していたところに挨拶なしで割り込み、自分を通す由紀。


同校のやつらなんかが大勢見ているとこで非難しながら叫ぶ由紀。


こいつは…俺のことを考えてくれたり、心配したり…しないのか?…。


あっ、違うな、俺もそうなんだ、由紀のことなんかさっきまですっかり忘れてたんだ…




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