両想い【完】


「じゃあ、これで失礼します、さよなら」


手を上げて美愛に振ろうとすると、バシッと捕まれた、鞄のヒモを…。


「高城君、よければ、夕食ご一緒しない?
美愛が作るんだけど、ほとんど。
主人にも会ってあげてくれない?
私だけ会ったなんてわかったら、
後でなに言われるか…
考えただけで恐ろしい…」


そう、呼び止められてしまった。


「お母さん…今テスト期間中なんだよ?」


「あらぁ昨日だって家で勉強会して
夕食もみんなで食べたんでしょう?
今日もここで勉強して、ほら、
光輝もいるから二人で教わりなさい、
で夕食済ませて帰れば、ねぇ?どうかしら?」


俺は少しでも美愛といたいから大歓迎な申し出だし、光輝さんに教えて貰えるのは有り難い。


「いいんですか?うちは連絡すれば
夕飯は平気なんで、
だったら光輝さんに教わりたいっす」


「はい、決まりぃ!!」


***


リビングでコピーから戻ってきた光輝さんに、
化学や選択の数学を時間の許す限り教わった。


美愛は向かいで現国や化学をやっていたが、しばらくしてキッチンへ行ってしまった。


「なぁ、お前ら、付き合ってる、よな?」


「っ…はい。」



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