両想い【完】


俺は結構早くからお化け屋敷の組み立てのために学校にいた。


文化祭が開始になっても、仕掛けが上手くいかなかったりで手直ししていて、自由になれたのは10時過ぎ。


既に一般にも開場したあとで、校内は人が増え続けていた。


***


「ようっ!祐じゃん、お前んとこ、は…
お化け屋敷なのね(笑)
後で行くな~」


なんて会話を何回もしながら、食べ物を扱うフロアに行く。


火や電化製品を使うクラスは、家庭科調理室など特別教室がある2号棟のほうにまとめられていた。


美愛のクラスは3階の真ん中あたり。


廊下を進むといろんな食べ物の匂いや並ぶ列、まだ昼には早いが以外と賑わってる。


ピンクと黒の装飾がされたクラスの前にはテイクアウトの窓口と、室内で食べるのを待ってる列があった。


***


人混みを分けて中を覗くと、笑顔で飲み物を運ぶ美愛がいた。


運び終わりバックヤードに戻ろうとする美愛に声をかけると、パッとこちらを見てこぼれそうな笑顔で駆け寄ってきた。


「祐君!お疲れ様~
直し、終わったの?」


「おぅ!やっと開店した、疲れた~
癒してくれる?」


「?ジュース飲む?」






< 251 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop