両想い【完】


でも、そんな普通な日常に、俺達の幸せは確かにあって、それを日々感じて生きてる。


『手を指を絡めて繋ぐ』…1年近くたっても、実はドキドキするって、美愛は言う。


俺は、そう話す美愛の顔に愛しさを感じる。


そんな、ささいなことの繰り返し、積み重ね、そうして俺達の幸福は満たされてく。


これからも、互いを見失うことなく、一緒に傍で生きていきたい。


心からそう思う。


二人の未来へ…


***


「美愛、今日から葵来るだろ?
勉強ってさ、リビングか?」


学校から二人で美愛の家に帰宅。


「うぅ…ん、どうだろ。
祐君は自分の部屋は入られたくない?
あっ、和室にテーブルあるから、
椅子でなくていいなら
そっちにする?」


「あ、それがいいや。
ほら、俺の机って意外と狭くてさ
ちゃぶ台?みたいなんだろ、
そしたら参考書とか広げるの
楽だし。」


「了解♪
それなら、私も食事の支度とか
気兼ねせずに出来るね♪」


「今日は練習が5時までなんだって」


時間を美愛に伝えて、俺は勉強道具を和室へ運び、美愛の言ってた座卓を部屋の真ん中に移動させる。


たぶん、6時頃に腹を空かせてここに寄るだろうから、先に夕飯かな。





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