学園スパイラル-女医の襲撃-

 次の日の放課後──どうやら匠たちは美術室に行ったようで、志保も西棟の3階に向かった。

 夕暮れに近づく空は校舎を西日に染める。

 志保は『美術室』と書かれたプレートのある引き戸をノックした。

「はい。あら、志保先生どうしたんですか?」

 出てきたのは女生徒だ。

 肩までの黒髪に、前髪が邪魔なのか雑にカチューシャをしていた。

 手には黒い粉が着いている。

「ここに周防くん来てる?」

「はい。今デッサンのモデルしてくれてますけど」

「え」

 モデル!?

 その言葉に志保はドキリとした。
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