学園スパイラル-女医の襲撃-
「! 佐々木さん、お久しぶりです」

 商店街の脇道で軽トラに石材を乗せている2人組の男性に声をかけた。

『佐々木石材店』の店主の佐々木さんとアルバイトの鈴木君だ。

「よう匠! 相変わらず綺麗だねぇ」

 40代細身の店主が手を揚げて応えた。

 その隣で鈴木君は匠にぺこりと小さく会釈する。まだ20代に入ったばかりだと思われる青年は、おどおどとして匠と比べるとかなり落ち着きがない。

 匠が落ち着きすぎていると言えばそうなのであるが、鈴木君はいささか頼りなさが目立つ。

「仕事には慣れましたか」

「え、はい……まあ」

「もっとハキハキ喋れよ! 誰も取って食わねぇって」

 佐々木は、おおらかに笑って鈴木君の背中を叩く。
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