A-YA-KA-SHI☆バスター!!
 悠はそんな彩に、心外だというように視線を返して。


「当然、完璧に癒したよ。そもそもお前がドジ踏まなきゃこんなことにはならなかったんだよ?」
「あーはいはい、分かりましたよ」


 ぶっきらぼうに言う彩。


「俺たちは終わったぞ、自己紹介」


 そこへ、諒が口をはさむ。


「そう? あたしは野水彩。よろしく、美樹」


 こっちは呼び捨てか。
 まさか、本当に本気でここに住むつもりなのか。
 しかし、この流れから察するに、もうこの3人は、少なくとも今日はここから出ていく気はないようだ。


「彩さんは中川さんの身内じゃないんですか?」


 彩だけ、苗字が違う。
 美樹の素朴な疑問に、彩は思いっきり嫌そうな表情を浮かべた。


「勘弁してよ。あたしは、こいつら一族とは一切血縁関係はないよ」


 どうしてあんなに嫌そうな顔をするのか、全く分からなかったが。


「ねぇ美樹、お願い」
「なんですか?」
「あのコーヒー、もう一杯、飲みたいな」


 そう言うことなら、何の支障もない。
 美樹は、改めて・・・というか、半ば諦めて、人数分のコーヒーを入れ始めた。
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