A-YA-KA-SHI☆バスター!!
「あの人間は、特別に大事にしているんだろう? その力を利用して、なぁ」


 アヤカシは、変わらずに小馬鹿にするような口調で言った。
 だが諒は動じない。


「大事な存在なのは確かだ。だが、力を利用している訳じゃねぇ」


 ほう、とアヤカシは、嘲笑うかのように諒を見た。


「あの人間は、自ら進んで我らの戦いに力を貸している、と?」


 その質問には答えられなかった。
 ずっと前から、諒も、そして悠も同じように悩んでいた。
 彩のような人間を、結果、自分達の都合だけで巻き込んではいないのか。
 彩が生まれた時、彩という存在を、悠と諒は知っていた。
 それは何故なのか。
 彩には力があったから。
 そんな彩に近づいたのは、自分達が彩を・・・利用する為ではなかったのか。
 ――出来れば否定したかったが、百パーセント否定しきれる自信がない。
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