A-YA-KA-SHI☆バスター!!
「アヤカシは夜に動く。だから、退治は夜するんだよ。こいつらは実体がないから眠らなくても平気だけど。あたしはやっぱ睡眠とらないとね。生身の人間だし」


 どおりで、いつも彩はお昼頃起きてくるはずだ。
 妙に納得して、美樹はふと気がついた。


「じゃあ、皆がここに来た日・・・」
「あの日も、今日と同じアヤカシと戦ってた。最後の最後で逃げられたけどな」


 諒が言う。


「彩の、背中の傷は?」
「あれはあたしがミスったの」


 あの、赤い光。
 彩は笑っているが、あんなものに当たったら・・・。


「心配しなくていいよ。悠は防御と癒し専門でさ。アヤカシとの戦闘に限っては医者いらず、っていうの?」


 美樹の考えを見透かすように、彩が言う。
 あの日、悠は医者なのかと諒に尋ねたら、笑われたっけ。
 確かに、医者ではないようだが。
 だけど。


「その・・・アヤカシと戦ってる時に、大怪我とか…下手をしたら、命が危ないなんてことは」


 美樹の質問には、誰も答えてはくれなかった。
 それがかえって、肯定の意味を示している。
 まさかそんなことが目の前で起きていたなんて、信じられなかった。
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